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アメリカン・グラフィティ』に関するその他のウンチク集です。

目次

1978年リバイバル版

撮影を終えた最初のヴァージョンのアメグラは全編3時間にも及ぶものだったと言われますが、半年間の編集を終え1973年の初回公開時には110分に短縮されていました。DVDのメイキングでも語られている通りジョージ・ルーカスの意に反して数シーンがカットされた内容でしたが、『スター・ウォーズ(Star Wars)』(1977)の大ヒットを機にリバイバルされた際には、単なる再上映ではなくカットされたシーンを復活させた112分の「オリジナル・ディレクターズカット版」として公開されました。今日知られているアメグラと言えばこの「ディレクターズカット版」を指しますが、「オリジナル」というより「リメイク」版であるという点にも触れておきます。

  • 挿入されたシーン(DVDで明かされた5分間?・・・時間が合わないが?)
    • ホップシーンの"Louie Louie"部分のスティーブが教師に注意されるシーン。
    • テリーがクルマをぶつけた後に立ち寄る車屋のシーン。
    • ローリーを同乗させながらのファルファの鼻歌シーン。
  • 音響
    • ドルビーステレオ効果を遺憾なく発揮した『スター・ウォーズ(Star Wars)』(1977)の成功により、この音響システムをリバイバル版に導入。
  • エンドテロップ
    • 続編『アメリカン・グラフィティ2』のシナリオに合わせ、ジョン・ミルナーの死亡日を1964年6月から1964年12月に設定しなおしクレジット。
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DVDのメイキングにも登場するオリジナルスクリプト…何故か62年!初回上映後に翻訳された原作
  • 公開年
    • このリバイバル版は、一般的に“1978 re-release”と呼ばれ、日本での上映は1979(昭和54)年です。
  • キャッチコピー
    • 米国・・・“is Back”
    • 日本・・・“これこそが若者映画のオリジナル!”

オープニング

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現在DVDに収められている夕焼けを背にしたメルズ・ドライブインのオープニングショット(写真左)は、一夜の始まりを予感させるだけに強烈な印象を受けるのですが、実は1998年の25周年記念の際に発売されたビデオ及びLD用に差し替えられたコンピュータ処理による映像で、現在もそのまま使用されています。昔のビデオやLDを所有されている方はオープニングを見比べてみて下さい(写真右:DVDのメイキングのトップシーンでも確認できます)。そっけないオリジナル版のノスタルジックさの方が良かったと言う意見もあるかもしれませんね?

バディ・ホリーが死んでロックンロールは終わった

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“Rockandroll's been going down hill ever since Buddy Holly died.”
ミルナーが吐き捨てるあまりにも有名な台詞。

1959年2月3日、アイオワ州クリアレイクでのツアー後に搭乗した飛行機が悪天候により同州セロ・ゴード郡グラント・タウンシップのトウモロコシ畑に墜落。同乗していたバディ・ホリーリッチー・ヴァレンスビッグ・ボッパーの3名のミュージシャンとパイロットが死亡。

この飛行機事故はロックンロールの時代の終わりを告げる象徴的な事件となった。(音楽が死んだ日)(The Day the Music Died))

映画の中の映画

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劇中2軒の映画館が存在する事が確認できます。パトカー破壊シーンの背景に映る映画館(»参照)では、プロデューサーのコッポラへの敬意として、彼の処女作『ディメンシア13(Dementia 13)』が上映中という設定にした事がDVD収録のメイキングでも明かされましたが、実はこの作品は1963年作品です。

また、ミルナーがホルスティーン巡査に切符を切られるシーンに映る映画館(»参照)では、どうやら2本の映画が上映されているようで、切符売場の左右のポスターを観察すると、『101匹わんちゃん(One Hundred and One Dalmatians)』(1960)と『南海漂流(Swiss Family Robinson)』(1960)である事がわかります。キッズ向け企画だったのでしょうか?

101匹わんちゃん
南海漂流

但し、サンラファエルでの撮影は時間的ゆとりが無かった事から、この2作品は撮影当時に実際にリバイバル上映されていたものと思われます。他にも館内に3点のフレームが掲示されていて、1972年作品の『キャバレー(Cabaret)』のポスターが見受けられるという意見もあります。

オジーとハリエット(Ozzie and Harriet)

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カートが1956年型デ・ソートのフェンダーに腰掛け、“グレイト・プリテンダー”を口ずさみながらショーウィンドウのTVを見入るシーン(»参照)では、『オジーとハリエット』が放映されています。1952年から1966年までABC局で放映されたファミリーコメディ番組で、画面に映るのはリッキー・ネルソン(1961年にリック・ネルソンと改名)です。この番組は、リッキーの父である'30年代に活躍したスイングジャズの作曲家兼バンドリーダーのオジー・ネルソンが、妻と共に1944年から開始したラジオ番組の延長で、アメリカの家族だんらんのひとときに欠かせない長寿番組となりました。リッキーはこの番組で実の子役としてデビューしています。

ジュークボックス

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メルズ・ドライブインのリモートセレクターとは別に、ミニチュアゴルフコースのエントランスに設置されている50's調のスペーシーなジュークボックスは、SEEBURG社の1962年製の“DS-160”というモデル。ディスプレイパネルのトップ両サイドにステレオスピーカーを搭載する事ができ、ステレオ時代の幕開けを提言する機種となりました。また同社は、この機種を最後にLPコンソール式の導入へ移行する為、最後の45回転モデルと言われています。

ピンボールマシン

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ミニチュアゴルフコースのアーケード、ピンボールコーナーのシーンでは、6台のピンボールマシンを確認できます。Internet Pinball Databaseにて各機種をピックアップしましたので参考までにどうぞ。

画面奥から

  • Ball Park(Williams Electronics-1968)
  • Buckaroo(Gottlieb & Company-1965)・・・アンツが壊した台
  • Vampire(Bally Manufacturing Corporation-1971)
  • Skyrocket(Bally Manufacturing Corporation-1970)・・・カルロスが壊した台
  • Royal Guard(Gottlieb & Company-1968)
  • Wild-Wild West(Gottlieb & Company-1969)

消されたセリフ

メルズ・ドライブインの席でひとりふさぎこんでいるスティーブにブダーが話しかけるシーンです。そこへローリーがやって来て2人の姿を目撃してしまうのですが、狼の遠吠えが効果音に使われ、窓越しのブダーが口パクで何か話している事に気づきます。

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実はDVD版だけでなく、初版のビデオ及びLD版からすでに口パクになっているのですが、ビデオ化される以前のTV放送時にはちゃんとセリフが存在するのです。オリジナルの映画には存在していたが、ビデオ化される際に故意にカットされたものだと思われます。

【セリフ:TV版】
ブダー:学校じゃあまり話できなかったし、明日東部へ発つんでしょ?だから。
そう深刻に考える事ないじゃない?軽く、遊びのつもりでさ!

原作を読まれた方はご存知かもしれませんが、ブダーはスティーブに対して以前から好意を抱いていて、この最後の夜に彼を自分の部屋に誘おうと猛然とアタックするシーンなのです。そして、この消されたセリフへと繋がり、あろう事かスティーブは誘いに乗るという運びなのです。(結局、断りますが。)

あくまでも推測ですが、映画収録当初はこのやりとりの全てが存在していたと思われます。確かにブダーの目つきが何かを物語ってはいるのですが、話の前後が不透明なので潔くカットし、2人の関係は視聴者の想像に任せようとしたとも受け取れます。

【追記】 2008年、日本語吹替版のリリースで明らかになりましたので、興味のある方はご確認ください。

デビッド・ウィラードソン(David Willardson)

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ディズニー公認のアーティストとして近年ではほとんどのアニメーション作品のポスターなどを一手に手がけるデビッド・ウィラードソンは、実は過去にピンナップガール作品も残していて、アメグラサウンドトラックやポスターとしても有名なこのカーホップの作品も彼によるブラシアートです。ちなみにブダーがモデルかどうかは定かではありません。

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Last-modified: 2011-12-21 (水) 12:21:00